こんにちは。雨が降ると随分寒くなりますね。
さて今日は、「プリプレグを使わない方法」というお話です。
炭素繊維に樹脂を含ませ半硬化させたものをプリプレグと呼ぶのは、もう既に皆さんご存知かと思います(「プリプレグの製品形態について」を参照)。弊社では製品を作る際それを主に使用していますが、昨日は工場からこんな素材をもらってきました。
実は、樹脂を含んでいない炭素繊維だけの織り物です。写真ではわかりづらいかと思いますが、プリプレグは若干の粘着力があるのに対し、この織り物は樹脂を含んでいないため、サラサラしています。
この素材が登場するのは、いわゆる「ハンドレイアップ法」の際です。型に乗せた炭素繊維に樹脂をハケなどでしみ込ませ硬化させることで、CFRPが出来上がります。
弊社では主にプリプレグを使った成形を行いますが、場合によってはこのハンドレイアップ法を行うこともあります。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
炭素繊維強化プラスチックを材料設計から一貫した製品作り
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CFRP 加工」のエーシーエム
こんにちは。先端材料技術展2009も終わり、弊社ホームページへのアクセスもおかげさまで倍増しました。皆様に楽しんでいただけるよう、このブログも頑張って更新していきますので、よろしくお願いいたします。
さて今日は、引き続き皆様から寄せられた質問にお答えしていきます。
<FAQs:CFRPについて>
1.CFRPって何ですか?
C:Carbon(炭素)
F:Fiber(繊維)
R:Reinforced(強化)
P:Plastics(プラスチック)
の略で、樹脂を炭素繊維で強化した材料です。詳しくは「CFRPとは?」をご覧下さい。
2.サンプルで配られた2種類の板はどのように違うのですか?
先端材料技術展2009では、来場者の方へ2種類の板をお配りしました。ひとつは、繊維が一方向に並んだUD材の積層板(黒く無地の板)、もうひとつは皆さんがよく目にする織り目模様のクロス材を表面に積層した板になります。
UD材は繊維が一方向に並んでいるため、その方向への強度・剛性を出すために使われます。クロス材はUD材と異なり、0°と90°に繊維が織られているので、一方向の強度・剛性ではUD材に劣りますが、UD材に比べると、クロス材は織物のため、機械加工時に生じるバリ・カケ等が少ないと言えます。
プリプレグに関するお話は「プリプレグの製品形態について」をご参照下さい。
3.CFRPにもいろいろ種類があるって本当ですか?
はい、本当です。炭素繊維や樹脂の種類によって様々なCFRPがあります。弊社はエポキシ樹脂のプリプレグを使っていますが、その中でも炭素繊維のグレードによって何種類ものプリプレグがありますし、その組み合わせによってCFRP積層版の強度・剛性は変わってきます。2でも触れたとおり、プリプレグの形態(平織クロス材やUD材)に違いもあります。
奥が深い複合材料の世界を皆さんにご紹介出来るよう、日々頑張って勉強していきたいと思います。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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「先端材料技術展2009(SAMPE JAPAN 2009)」へはたくさんのご来場誠にありがとうございます。
今日はお時間を取れなかった方のために会場の様子をご報告します。
こちらが弊社ブースです。国際ロボット展とは別ホールだったために人が集まるか不安でしたが、嬉しいことに連日溢れんばかりの人で、対応させていただいた営業部社員一同大忙しでした。
こちらが人気の剛性比較モデルです。同じ寸法で種類の異なるCFRP3種、鉄(SS400)、アルミ(A5052)に1kgの重りを乗せた場合のたわみを比較しています。このモデルの前で立ち止まり、うんうんとうなづいている来場者を多数見かけました。
注目度抜群のリールハンドルです。グローブライド様にご協力いただき、今回はリールごと展示することが出来ました。弊社では、黒いカーボンハンドル部を製作しています。
おかげさまで、今年度の製品表彰では弊社が出展しましたTHIN BEAM(長さ6mの片持ち梁照明器具)で優秀賞を頂きました。
これをきっかけに、より多くのお客様と共に、CFRP製品開発のお手伝いが出来ればいいなと思います。ご質問・ご相談等はどうぞお気軽に弊社までご連絡下さい。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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こんにちは。11月中旬らしく、最近は天気が良くても少々肌寒いように感じます。噂では、弊社花壇のプランターに植えた球根の芽が出たらしいので、これからの季節を乗り越えられるか心配です。
さて今日は、「SAMPEのための成形品サンプル」というお話です。
今日は、来週開かれるSAMPE(先端材料技術展)に展示するための成形品サンプルを選びました。お客様が手にとってご覧になれるようなものを10~15点ほど選ぶという指令だったのですが、選んでいるうちにあれもこれも欲しくなり、最終的には20点近く持って行こうかと考え中です。なんせ、写真では伝わらない製品の良さを実感してもらうチャンスですので、数あるサンプルの中から選んでいくのは至難の技です。
というわけで、選んだのはこちらです。このブログをお読みの皆様には、特別にお見せします!
弊社サンプルのなかでも特に人気の品ですので、SAMPEへお越しの方はぜひ弊社ブースへお立ち寄り下さい。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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こんにちは。日が暮れるのもすっかり早くなりましたね。
さて、今日は「ACMの昆虫箱」というお話です。
SAMPEこと先端材料技術展まで2週間を切り、弊社も着々と準備を進めています。弊社玄関にあるショーケースも、目玉のひとつとして展示予定です。
ちなみにこのショーケース、弊社でのあだ名は「昆虫箱」です。昆虫の標本箱に似ているからでしょうか。しかし製作者曰く、コンセプトはどうやら「フェニックス(火の鳥)」だったそうです。
昆虫箱に納められたフェニックスは、先端材料技術展でご覧になれます。どうぞお楽しみに!
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こんにちは。横浜は朝からバケツをひっくり返したような大雨でしたが、今は大分収まったようです。
先日、弊社がお世話になっている方から、「ACMのホームページを2日に1度は見ている」との話を聞きました。最近はSAMPEや新聞掲載の影響からか、弊社ホームページへのアクセスも増え、日々更新していく必要性を強く感じています。出来る限り頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。
さて今日は、「反り板のその後」についてのお話です。
先日、「CFRP板の反り」について書きましたが、その後プリプレグの種類や枚数を変えて、反りがどのように変わるのかを実験してみました。その結果が以下の写真です。
見事な反りのばらつき!
(注.端面を処理していないので、白い部分は流れ出た樹脂が硬化したまま残っています。)
ここから残留応力に関するデータをまとめ、反りに関する知見を増やしていく予定です。
なお、この反り板は弊社会議室にサンプル品として展示しておきますので、ご興味のある方はぜひ実物をご覧下さい。
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ごぶさたしております。今日はしばらく温めていた「CFRP製アタッシュケースについて」のお話をしようかと思います。
写真は、以前ご紹介したグループ活動にて作られたCFRP製アタッシュケースです。
開くとこんな感じになっています。
開閉部の金具以外は全てCFRP製というこだわりを持って作られました。したがって、取っ手もCFRPで出来ています。
実物は弊社工場に展示してあります。弊社へいらした際は、ぜひ一度お手にとってご覧下さい。
ちなみに、このアタッシュケースは試作品なので、残念ながら今のところ販売の予定はありません。しかしながら、ご興味のある方がいらっしゃる場合は、弊社としても前向きに検討していきたいと思います。
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ごぶさたしております。最近ブログに書くためのネタを弊社工場の方からいくつも提供してもらい、ためてあるのですが、なかなかまとめる時間がありません。読者の皆様には申し訳ありませんが、早くお届け出来るように努力しますので、これからもよろしくお願いします。
さて今日は、「CFRP板の反り」というお話です。
「プリプレグの製品形態について」でもお話したように、CFRPは様々なプリプレグを積層して作ります。どんなプリプレグを積層するかを考えるのが積層設計ですが、その積層設計をする際に、注意しなければならないことがあります。次の写真をご覧下さい。
このCFRP板は平板を作るための型を使って成形したのですが、平らにならずに大きく反っています。なぜこれほどまでに反っているのでしょうか。ヒントは、表面にクロスのプリプレグ、裏面にUDのプリプレグを積層して成形しています。
実はプリプレグによって樹脂の硬化収縮率が異なるため、結果的に縮む力の大きい層に引っ張られ、板が反るのです。どの程度反るかは、糸の種類や織り方、樹脂の種類や量など様々な要因が関係するので、なかなか予想通りにはいきません。
ですから、製品の積層設計をする際は、層の中心から面対称にプリプレグを積層することで、反りを生まないようにしています。
将来的にはこの反りをうまくコントロール出来るようになって、新たな製品開発につながればいいなと思います。しかし、そのためにはまだまだ研究が必要なようです。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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こんにちは。先週の努力もむなしく、今週はまたしてもブログの更新が滞ってしまいました。反省しております。
さて今日は、「次世代を担うプラスチックたち」というお話です。
少し前の号ですが、とある雑誌にバイオマス・プラスチックの特集が載っていました。そのなかでも、実用化に近いPLA(ポリ乳酸)についての話が印象的だったのでご紹介します。
PLAは、他のポリマとアロイ化したり添加剤を入れることで、耐熱性や耐衝撃性、成形性などを石油系汎用プラスチックと同等にしているそうです。したがって、添加剤や改質剤の種類や量はコストに関係しますので、欲しい製品の要求性能を見極め、必要なものだけ添加することが重要であると書かれていました。
この話はCFRPにとてもよく似ています。何でもかんでも強い材料を作るのではなく、本当に必要な性能と妥協してもよい性能を整理し、最適なプリプレグや積層方向などを決めることが、CFRPの良さを生かすことにつながるからです。
バイオマス・プラスチックとCFRP、次世代を担う2大プラスチックは、どちらも用途に合わせた材料開発が大切なようです。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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こんにちは。台風も近づき、弊社は万が一に備えて社屋周辺を整理しています。嵐で吹き飛ぶものがないよう、気をつけなければいけません。
さて今日は、「カーボン製品について」というお話です。
巷でカーボンと呼ばれる製品の多くは、表面にクロス模様のあるCFRP製品を意味しているのではないでしょうか。しかし厳密に言えば、表面がクロス模様でないCFRPもありますし、更にCFRP以外にもカーボンの複合材料は存在します。その例として、C/Cコンポジットがあります。
C/Cコンポジットは
母材:黒鉛
強化材:炭素繊維
です。数千℃の耐熱性を有する優れた材料です。
それに対し、CFRPは
母材:樹脂
強化材:炭素繊維
です。樹脂の硬化温度が130~180℃前後なので、C/Cコンポジットに比べれば、耐熱性に劣ります。
したがって、英語で表記するならC/Cコンポジットは「Carbon Fiber Reinforced Carbon (CFRC)」ということになります。カーボン、と呼ぶならばCFRPよりも100%カーボン製であるC/Cコンポジットの方がふさわしいかもしれませんね。
CFRP製品にご興味・ご関心のある方、ぜひ一度弊社へお問い合わせ下さい。
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